ウティエル・レケーナ ワイン造りの移り変わり&今


DOウティエル・レケーナには2,600年以上にわたる長いワインの歴史があります。フェニキア人たちがやってきて、この地の先住民イベロたちにワイン造りを伝えたところといわれるラス・ピリーリャスの遺跡には、大きな岩をくり抜いて作られたブドウ踏み場が残っています。ワインの保存や移動に使われたであろうアンフォラも発見されています。

現在ウティエルやレケーナの町の中心部の地下に多く残っている洞窟に並ぶ巨大な素焼きの壺、ティナハが盛んに作られ、ワイン造りや保存に使われていたのは18~19世紀のことです。

 

 

その後、輸出が盛んになると、量産のためコノと呼ばれる大きな木桶、そしてコンクリート製の発酵槽が現れました。現在の主流は温度調節付きステンレスタンクですが、様々なサイズや形の樽や桶、コンクリート製の槽そしてアンフォラやティナハが使われています。

DOウティエル・レケーナでは毎年、この地域を代表するワインとしてエデュケーションやプロモーションに1年間使用するワインを選出しています。2024年に選ばれた白、ロゼ、赤、ボバル単一品種の4分野のワインを、造り方も含め、ご紹介します。

〔カスティーリョ・デ・ウティエル・ビノ・ブランコ2023/ボデガス・ウティエラナス〕

 

マカベオ100%。短時間浸漬を行い、固形部分を取り除き、フリーランジュースだけを採る。低温で発酵。

ロゼ

〔エンテリソ・ロサド/コビニャス〕

 

ボバル100%。低温浸漬後、軽くプレスし、澱下げをし、上澄みだけを発酵に使う。温度制御付きステンレスタンクで発酵。


〔ネクソ 2021/ボデガス・ヒメネス - ビラ・エルマノス〕

 

ボバル80%、シラー20%。畑別に醸造。発酵前浸漬は12℃で24時間。温度制御付きステンレスタンクでアルコール発酵、マロラクティック発酵を行い、フレンチオーク225L樽で12か月熟成。

ボバル単一品種

〔パシオン・デ・ボバル・オーガニック赤2022/シエラ・ノルテ〕 

 

標高920mにある単一畑で、水はけのよい石灰質土壌。樹齢60年。オーガニックでビーガン。収穫は10月に手摘み。発酵前に長い低温浸漬を行い、発酵は低温で短時間。マロラクティック発酵はフレンチオークの新樽で行い、そのまま6か月熟成。



DOウティエル・レケーナは独自のプロモーションも活発に行っています。DO ウティエル・レケーナのワインに関する最新情報は、FacebookInstagramX(旧ツイッター)をフォロー願います。