ハートの花が咲く木のラベルが目印のワイン「パシオン」。これはDOウティエル・レケーナにあるワイナリー、シエラ・ノルテの看板ともいえる地場品種の単一品種シリーズの名前です。パシオンは英語でパッション、情熱です。ワインにはシエラ・ノルテのオーナー・ファミリーの情熱が込められています。
シエラ・ノルテがワイナリーとして創業したのは2000年です。けれどもそのもとは1914年、先々代がボバルという地場品種の黒ブドウを、生まれ育ったカンポロブレ村の敷地に植え始めたことに始まります。息子たちは、畑を増やし、1950年代にはスペインの代表的な黒ブドウ品種テンプラニーリョ、70年代には白品種マカベオ、80年代には外来品種のカベルネ・ソーヴィニョンも植えました。そして、現場の体験から、オーガニック栽培に徹することに決めました。90年代、その息子たち、現当主であるマヌエルとロレンソは、さらにフランス品種を植えました。ここまではブドウ栽培農家でした。
けれども1999年、ついに自分たちでワインを造ろうということになり、2000年、ワイン生産会社を設立しました。同年に全ての畑はオーガニックの公式認定を受けています。
「パシオン」のアイデアがスタートしたのは2008年のことです。樹齢60年以上になるボバルがありました。これでボバル100%のワインを造ろうというプロジェクトの第一歩が踏み出されました。そしてDOウティエル・レケーナの地場品種ボバルの単一品種赤ワイン「パシオン・デ・ボバル」が誕生したのは2010年でした。これまでバルクワイン用の品種としてしか扱われてこなかったボバルを品質の高いワインに造り上げ、これまでのボバルのワインでは考えられなかった価格で世に送り出したのです。
そして、「パシオン・デ・ボバル」は成功しました。国内外で高い評価を受けたのです。ボバルのポテンシャルは認められました。2011年には「パシオン・デ・ボバル」のロゼも発売しています。
シエラ・ノルテのオーナー・ファミリーの情熱は「パッシオン・デ・ボバル」と共に日本にも届いています。